政治・経済

下条さん、すぐに当確 与党批判追い風に

支持者と握手を交わし笑顔を見せる下条さん(27日午後8時14分)

 投票締め切り直後の午後8時に当確の報が伝わると、松本市城東1の事務所は拍手と歓声に包まれた。妻・実奈子さんと入場した下条さんは「いただいた有権者の気持ちを裏切ることのないよう、誠心誠意やっていきたい」と万感胸に迫る表情で頭を下げた。

 令和3年の前回選と同じく、野党連携を成立させた上で大差の勝利。護憲を掲げる市民団体・中信市民連合や社民、共産両党、連合長野の関係者ら集まった約30人が祝福した。中信市民連合の又坂常人・共同代表は野党の躍進に触れ「大きな地殻変動が起こる可能性がある。みつさんには変革の流れをリードしてもらいたい」と激励した。
 自民党の派閥収入不記載事件(裏金)を受けた「政治とカネ」が争点となった。小選挙区で野党候補が競合すれば票は分散し、批判の民意が選挙結果に反映されないという危機感があったが、2区は一貫して下条さんを押す態勢が崩れなかった。社民、共産両党の関係者は「自民党の議席を許さないという思いで結束が強まった」と話す。
 下条さんは選挙期間中、政治とカネの問題を厳しく追及し、街頭演説や選挙カーで「裏金は脱税。ゆがんだ政治にお灸を据える」と訴え続けた。日を追うごとに有権者の反応が良くなり、「多くの方々が『自民党はおかしい、ぜひ勝って』と言ってくれた。この思いが力になった」と話す。
 多くの負託を得て、政権交代を実現させるという使命感をより強くした。「政治不信を招いた自民党に憤りを持って戦ってきた。税金を取り戻し、信頼を取り戻す政治を実現する」と誓った。