衆院解散 衆院選15日公示、27日投開票 超短期決戦に突入
衆議院は9日の本会議で解散された。衆院選の日程が15日公示、27日投開票と決まり、事実上の選挙戦に突入した。総理就任から8日後の解散、26日後の衆院選はいずれも戦後最短で、長野2区、4区の立候補予定者の各陣営は、超短期決戦に向けて走り出した。
長野2区は、立憲民主党前職の下条みつ氏(68)=松本市深志2、自民党前職で比例北陸信越ブロックの務台俊介氏(68)=安曇野市豊科、日本維新の会新人の手塚大輔氏(41)=松本市宮渕3=の3氏が立候補を予定する。
下条氏は、野党4党で提出した内閣不信任案が審議されずに廃案となり、解散に至ったことに「憤りを覚える。万歳はしなかった」と語り「自民党の裏金問題など数々の不備を追及していく」と覚悟を決める。選挙戦を通して「地方の景気を立て直すことを第一に訴えたい。物価高に苦しむ人、年金生活者や福祉で困っている人を救うことを地道に訴えていく」とする。
務台氏は「人事を尽くして天命を待つ」と選挙戦に臨む心境を語った。解散前にも次期通常国会に提出予定の登山道整備に関する法案の打ち合わせなどで忙しく動き「与党議員として12年間、地域を見つめてきたが道半ば。ここで議席を失うわけにはいかない」と力を込めた。選挙戦では「地元活性に懸ける思いを知ってもらいたい」と多くの人と触れ合う戦術を練る。
手塚氏は街宣車で松本地域を回り、各地で街頭演説した。「この国を前に進めるには『政治とカネ』の問題に決着をつけなければならない」と訴え、「皆さんの信頼を獲得し、しがらみのない政治を実現する」と声をからした。解散については「何のための解散なのか大義がない」と断じ、「訴えを届けるため、こまめに動いて活動していきたい」と表情を引き締めた。
4区は自民党前職の後藤茂之氏(68)=諏訪市、共産党新人の武田良介氏(45)=長野市、新人の武居博明氏(66)=塩尻市塩尻町、立憲民主党に公認申請中=が立候補を予定する。
後藤氏は裏金問題を念頭に「政治改革をしっかり実行すると約束し、訴えていく」と語った。厚労相だった前回選と比べて地元入りの時間を確保できる。「できる限り(多くの人に会って)丁寧に主張を伝えたい」とした。
武田氏は「論戦逃れの早期解散。裏金問題、統一教会の問題をちゃんと論議すべきだ」と批判した。「行き詰まった自民党政治を変えなければいけない」と意気込み、岡谷市の事務所近くで街頭演説を行った。
武居氏は「あまりにも国民を愚弄し、自民党政治の象徴的な解散だ。自分たちの既得権益を守るためにご祝儀相場がある時に、というその一点だけ」と断じた。なるべく多くの人と対面し、政策を訴える。