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流域の未来へ連携さらに 木祖村で源流サミット 全国22町村

「源流と下流域の共存」をテーマに木祖村で開かれた「全国源流サミット」

 全国の河川の源流域にある自治体でつくる協議会が毎年開く「全国源流サミット」が4日、木祖村の社会体育館で開かれた。先進地の事例発表や意見交換を通して、国内の源流域が抱える課題や環境保全の取り組みを共有した。参加者約130人は、流域の自治体が住民や企業も巻き込みながら手を携えて進む未来に向けた連携の一層の推進を誓い合った。

 「源流と下流域の共存」をテーマに開き、事例発表では3人が、それぞれに源流への思いを語った。三河湾にそそぐ矢作川の源流に位置する下伊那郡根羽村の大久保憲一村長は「都市と流域の農山村は一つの運命共同体」と強調し「流域圏の連携が命」と説いた。
 本年度、木祖村が薮原地区に整備した簡易水道薮原浄水場の建設技術支援をした一般社団法人名古屋環未来研究所の山田雅雄代表理事は、河川流域に応じた6地域それぞれに「水の政府」を設けて管理するフランスの事例を紹介し「日本では流域内の自治体による政策連合が有効な方式」と提案した。
 サミットは全国源流の郷協議会(31市町村加盟)が開き、15回目の今年は木祖村と山梨県小菅村でつくる実行委員会が主催し、22町村が参加した。