猫の真ちゅう彫刻 麻績からモンテネグロへ
麻績村にアトリエを構える彫刻家・池田宗弘さん(85)が手掛けた、猫をモチーフとした真ちゅう製の彫刻作品6点が、欧州のモンテネグロの港町・コトル市へ運ばれることになった。美しい自然と歴史ある街並みからユネスコの世界文化遺産に登録されているコトル市は、猫を大事にする「猫の街」としても知られる。彫刻は市内で開店準備が進む日本食レストランの装飾として飾られる。
池田さんは信仰などをテーマに多数の作品を手掛け、人間の罪や欲、社会の縮図などを表現するモチーフとしてしばしば猫の彫刻を制作している。日本食レストランは、海外向けなどに日本の品を取引している神野博幸さん=大阪府=が、現地事業者と共同経営する予定の店舗という。
9月30日に神野さんが来村し、購入契約を交わした。図録で池田さんの猫作品を見てほれ込んだという神野さんは今春に続く訪問で「池田さんの人柄にも引きつけられた。現地の住民にも作品の〝世界観〟を気に入ってもらえるのでは」と期待した。池田さんは「作品は自分にとって子供のようなもの。ありがたい。かわいがってほしい」と願っていた。
作品は池田さんによってきれいに手入れされた後、年明けにも現地へ移送される見通しだ。