朝日であすから移動販売 高齢者を支援

朝日村で27日から毎週金曜日に、移動販売車の運行が始まる。高齢者を中心とした買い物弱者の支援につなげようと民間事業者が行い、村内全域を巡回して生鮮食品や加工品といったさまざまな食料品を販売する。「定期的に移動販売があると助かる」という村民の声を受けて実現し、買い物支援と共に地域住民の見守り活動にもつなげていく。27日は午前10時半ごろから古見区で販売車が回り、昼ごろに村役場駐車場で販売、午後は古見以外の区を回る。
松本市を拠点に、総菜の製造販売や移動販売事業を手掛ける戸部商店が運行する。鮮魚や精肉、野菜、果物、パン、豆腐などさまざまな品を扱い、民家や集会施設の前で販売を行う予定だ。合図の音を出しながら車が回り、ドライバーは村内在住の男性が務める。市公設地方卸売市場内に販売店がある同商店が市場で仕入れた鮮魚、全国蒲鉾品評会で入賞した「信州あげ」、市内の富成伍郎商店から仕入れた豆腐といった同商店の移動販売車ならではの商品もある。70~80品目程度を扱い、利用者の要望に応じ日用品や生活雑貨の注文も可能という。
村内では2年前に食料品を販売していた店舗が閉店し、買い物支援の充実が課題だった。村や村地域包括支援センターが月1回のオレンジカフェ「あさひオレンジランチ」に合わせて7月から同商店の移動販売車を取り入れたところ、カフェに集まった高齢者らに好評で、高齢者を対象に行ったアンケートでも定期的な運行を望む声が寄せられていた。
戸部商店は平成25(2013)年から移動販売を始め、松本地域や県内の中山間地で販売車を運行している。戸部久社長は「買い物弱者の支援と地域の皆さんの見守りに貢献できれば」と話している。