2024.9.18 みすず野
「消去法」を『広辞苑』で引くと「複数個の中から選ぶとき、マイナス点の多いものを順次除外し最後に残ったものをよしとする方法」とある。選ぶ対象を見て、すぐに選択できる場合は、はっきりとした選択理由がある◆あまり思い出したくないが、受験する大学を選んだのは、今から思うと消去法だった。模擬試験の点数や、それによる合格の可能性などを見ながら、希望する大学を決めたが、できれば受けたいという大学、学部も、そうしたことを加味して検討し、やむなく諦めたのだった◆自民党の総裁選には9人が立候補している。その公約をみると、野党が主張してきた政策があったり、これまで与党が推進してきた内容の見直しに言及していたりして、いささか面食らう。野党が主張してきた政策に取り組むのなら、与党なのだからすぐにも実現するだろうに。党の幹部や閣僚、中枢の人たちは昨日までのあり方と矛盾するだろうに◆総裁選の報道を見聞きして思うのはそのことだ。選択は消去法か。「岡目八目」という言葉があった。広辞苑は「局外にあって見ていると、物事の是非、利・不利が明らかにわかること」と説く。