大学生 夏休みは木曽で 住民と交流 農業体験 開田拠点 課題解決へ一役

木曽町に夏休み中の大学生が滞在して、町の課題解決に助力する取り組みが9月中旬まで続いている。都市部から来た若者が、農業の高齢化・担い手不足や少子化など、人口1万人を切った町の課題に触れて視野を広げながら、農業体験や住民との交流を通じて地域に活気を与えている。
ネパールなどを中心に、国際的な社会貢献活動に取り組む認定NPO法人レアーレワールド(静岡県伊東市)が主催する。「企業版空き家活用補助金」を活用して購入・改修した開田高原の古民家を拠点に、都市部の複数の大学生計12人が5泊6日の日程で交代して滞在する。
法政大学(東京都)の3年生・村田咲梨さん(20)=東京都江戸川区=は今期第1号として参加。8月上旬の滞在で畑中建設(開田高原西野)の畑で開田高原地域の特産・トウモロコシの芽かき作業に取り組んだ。「農業は体力勝負で大変」としながらも地元住民の人の良さを気に入り、「時間があったら秋が深まった頃にもう一度来たい」とほほ笑んだ。
同社の畑でトウモロコシ栽培に励む地元農家の柳沢きみさん(76)は「若く体力があり、仕事も早い。作り手の高齢化が進む中で孫世代の人がいるだけで活力になる」と歓迎した。
聖心女子大学(東京都)の学生7人は、農作業の傍ら、町内全域に足を延ばして住民と交流した。日義の日義公民館では、日義学童クラブ「くすくす」を利用する子供たちと流しそうめんを楽しんだ。教員志望だという3年・塙萌衣さん(20)=川崎市=は「学年を超えてみんな仲がいい。子供たちから知らないことを教えてもらういい経験になった」と話していた。
レアーレワールドの担当者・松本美枝さんは「学生たちの力が少しでも町に貢献できれば」と話していた。