地域の話題

豊科郷土博物館で明治初期の巨大絵図公開 企画展関連イベントで

公開された大きな絵図

 安曇野市豊科郷土博物館は24日と25日、市文書館所蔵の絵図を公開して説明するイベント「大きな古い地図を見よう」を開いた。明治初期に現在の豊科地域や穂高地域、松本市島内地区、松川村などが描かれた「筑摩県第十大区絵図」を原明芳館長が解説し、当時に思いを巡らせた。

 同絵図の公開はおよそ7年ぶり。縦2・5メートル、横5・5メートルと大きく、普段は折り畳んで保管されている。
 同絵図には、穂高牧の満願寺付近から穂高有明の中房温泉に通じる古い山道が記されており、現在は荒れ果てているという。原館長は「この道は温泉に行く湯治の道であり、ミョウバンを運ぶ道だった」と説明した。明治時代に誕生した豊科村は鳥羽村、吉野村、新田村、成相村の頭文字を取って名付けられたことなど、現在も残る地名のルーツがこの時期にたくさん出てくることも紹介した。
 同館で9月23日まで開催されている夏季企画展「絵図から何がわかるか!」の関連で行われた。穂高柏原の女性(68)は「普段見られないものが見られて感激した」と話していた。