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故郷に響く圧巻の美声 穂高出身のソプラノ歌手・岡村実和子さんが凱旋公演

1曲目が終わった後で地元公演への思いを語る岡村さん(右)と伴奏した神谷さん

 安曇野市穂高柏原出身で、現在はイタリアに留学中のソプラノ歌手・岡村実和子さん(36)が22日夜、安曇野市穂高のあづみ野コンサートホールでリサイタルを開いた。3年前にイタリアの国際コンクールで1位となり、故郷では10年ぶりの凱旋公演となった。

 岡村さんは、ヴェルディ作曲「椿姫」の「そはかのひとか~花から花へ」、プッチーニ作曲「ジャンニ・スキッキ」の「私のおとうさん」などアンコールを含め12曲を披露した。持ち味の伸びやかで柔らかい歌声が、約80人の観客を魅了した。
 岡村さんは「緊張したけど、イタリア留学の7年間の成果を発揮できた」と語る。伴奏したピアニスト・神谷敦子さん(64)=穂高=は「歌手としても人間としても成長した。特に表現力が磨かれた」とたたえた。観客からは「圧巻の2時間だった」「音色も選曲もよかった」など絶賛する声が相次いだ。
 岡村さんは令和3年、若手オペラ歌手の登竜門とされる「リカルド・ザンドナイ国際声楽コンクール」で第1位を受賞した。現在はボローニャ国立音楽院修士課程で研さんしている。
 11月に卒業を予定し、その後もイタリアを拠点に活動する考えだ。将来の夢は「イタリアの国立歌劇場で主役を張れる歌手になりたい」と夢を広げている。