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山雅が天皇杯本大会出場へ 県選手権での信州ダービー制す

前半5分、右クロスから先制点を挙げる松本山雅の浅川(中央奥)

 サッカー天皇杯の県予選を兼ねる第30回県選手権大会は最終日の11日、サンプロアルウィン(松本市)で決勝を行い、松本山雅FCが1―0でAC長野を下して優勝した。今季の信州ダービー第1幕を制し、3年ぶりに本大会への出場切符をつかんだ。
 松本山雅は早い時間帯に挙げた先制点に支えられて優位に試合を運び、追加点こそ奪えなかったもののきっちりと押し切った。決勝ゴールは開始早々の5分。左から右に大きく振り、背後を取った本間の折り返しを浅川が流し込んだ。
 リーグ戦の主力を軸にした相手に対し、松本山雅は顔ぶれをそっくり入れ替えて臨みながら、出場機会の少ないメンバーが望んだ結果を勝ち取った。早川知伸監督は「選手はモチベーションを高く持ってファイトしてくれた。しっかりプレーできることを証明した」と喜んだ。
 松本山雅は県代表で本大会に出場する。1回戦は25日に同会場であり、FC大阪(大阪代表)と対戦する。

 90分間でネットが揺れたのは1度だけ。それでも見事な崩しで決勝点ゴールを奪った松本山雅。個々の強みが凝縮した1点が、信州の覇権を懸けた一戦で宿敵を沈めた。
 スコアラーは浅川隼人だが、その前の折り返しで勝負あり。絶好のお膳立ては右ウイングバックの本間ジャスティンだった。
 左サイドのパス交換から安永玲央に渡った瞬間、相手の背後を指差して始動。対角のロングフィードを呼び込むと、ダイレクトでGKと最終ラインの間に「さわるだけ」の柔らかいボールを流し込んだ。スピード豊かな裏のスペースへの動き出し、クロスとも強みが生き「やっと(アシストの)数字が付いた。練習通り」。満足げにうなずいた。