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髙橋節郎記念美術館が初の沈金公募展 2講座の受講者から自信作募る

随時開催している「かんたん沈金」のサンプル作品

 安曇野市穂高北穂高の安曇野髙橋節郎記念美術館は9月から、同美術館で開催してきた沈金講座の作品を集めた初めての公募展「集まれ!みんなの『黒と金』」を開く。漆芸術家・髙橋節郎(1914~2007)の魅力を伝える年1回の「芸大講座」や、髙橋の技法を簡易的に体験する随時開催の「かんたん沈金」の作品を今月31日まで募っている。
 

  芸大講座部門とかんたん沈金部門の2部門で実施する。かんたん沈金部門は「一般」と中学生以下の「ジュニア」に分ける。いずれも、大賞、優秀賞、特別賞、入賞・入選の各賞を設けている。
 受講した人から「他の人の作品を見てみたい」「よくできたので他の人にも見てもらいたい」との声を受けて企画した。芸大講座は東京芸術大学から講師を招いて平成15(2003)年から開催している。かんたん沈金は年間200人超が体験する人気講座で、18年から行っている。いずれも輪島塗の漆塗り板に好きな図柄で沈金を施して仕上げる。
 芸大講座を過去4回受講した穂高の古田京子さん(69)は、江戸時代初期の画家・俵屋宗達の作品「風神雷神図」をモチーフに制作した風神と雷神の2作を応募した。「黒と金できれいに表現できるのがすごい」と沈金の魅力を語る。大切にしている作品が出品できる公募展について「すてき」と喜んだ。
 申し込みはウェブのみで、同美術館ホームページ内の公募展案内ページからできる。1次・画像審査の通過者を対象に2次・実作品審査をする。同美術館は「再会できるのを楽しみにしている。漆の芸術文化の振興につながれば」とする。
 出品料は1作品500円。問い合わせは同美術館(電話0263・81・3030)へ。