政治・経済

旧松本市立博物館 11月に解体へ

解体される予定の旧市立博物館の建物

 松本市は今秋、松本城公園(丸の内)にある旧市立博物館の建物の解体に着手する。昨年10月に新館が大名町通りにオープンし、旧館は使われなくなった。来年10月末に解体が終わり、公園内に広いスペースが生まれる。当面は更地にしておく考えで、活用の余地がありそうだ。

 旧館は鉄筋コンクリート造り地下1階地上2階建て延べ3593平方メートルで、公園の南東にある。昭和43(1968)年に日本民俗資料館として開館、近年は年間約16万人が観覧に訪れていたが、令和3年3月で閉鎖した。
 市は市議会6月定例会で解体費を予算化した。工事契約の議決を経て11月頃から解体に入り、建物を支える高さ1メートルほどの盛り土も取り除く。総費用は約4億5700万円。
 工事車両の出入りに伴い、付近の歩行者の導線は狭くなる見通しだ。加藤孝・博物館長は「安全を第一に、来場者への影響を最小限にする方向で進めたい」と話す。
 旧館付近には、戦国時代に松本城を築城した石川氏が建てた城主の私邸「古山地御殿」があった。市教育委員会は、令和15年度以降に何らかの史跡整備を行う方針だが、当面は更地の状態を維持する。松本城管理課は「松本城公園の一部として扱うことになる。松本城の関連行事に使う考えは現時点でないが、何らかの活用をしていく可能性は考えられる」としている。