政治・経済

塩尻市HPに地域の回覧板 情報入手の利便性向上

市ホームページから確認できるようになった地域の掲示板や回覧板

 塩尻市は、市公式ホームページ(HP)上に「地域の掲示板・回覧板」のコーナーを設け、いつでもどこでも、誰もが情報を閲覧できるようにした。全10地区・66区で回されている紙媒体の回覧板を補完する機能として、デジタル情報発信を強化している。

 各地区や区で「地域の掲示板・回覧板」に載せたい情報を選び、関連の書類などを支所などに持ち込む。HPに掲載する作業は市側が担う。これまでに、各地区や区で回覧する各種内容で、地域行事や防犯関連など公共性や公益性の高い情報が掲載されている。
 情報は、地区や区ごとの一覧にして見られる。仕事で忙しい現役世代も手軽に情報を入手でき、回覧内容を忘れた場合の「備忘録」としても活用できる。市が5月に各地区に呼び掛けて情報収集し、7月から本格運用している。
 集合住宅が増えたことなどから、区に加入しない世帯が増えている。市全体の区加入率は74.6%(1月1日時点)で、5年前より5.6ポイント下がった。
 未加入世帯には、回覧板が手元に届かない状況がある。一方、紙媒体の回覧板を地域で回すことは、高齢者などの地域での見守り活動にもつながることから、デジタル化でやめる地区や区は現時点ではないという。
 7月末時点で、市に情報提供し、「地域の掲示板・回覧板」を活用している区は全体の4割弱。発信回数を増やし、市民が情報を得やすい環境を整えるのが課題だ。他地域の情報も得やすくなる。市地域づくり課の大村一地域づくり係長は「さまざまな気付きや地域活性化につながれば」と期待している。