2024.8.12 みすず野
「写真というものはスポーツに似ていて、昨日よりも今日のほうがすこしだけ良くなっていく」と写真家である幡野広志さんは『写真集・幡野広志』(ほぼ日)で書いている。そうならうれしい。大切なのは撮り続けることだろうか◆8日付の第7回ふるさと写真大賞の紙面を何度も見た。いずれの写真も紙面掲載時に見た記憶がある。なかでも強く印象に残ったのは「暮らし・人物・スナップ部門」で大賞を受賞した松本市梓川梓、永原信幸さん(61)の「新年初ウオーキングにて」だった◆真っすぐ続く堤防道路に、二人の影が寄り添って長く伸びている。空は冬の青空。新年早々の日が沈む直前だ。この写真からしばらく目が離れなかった。優れた写真には、見る側が勝手に物語を思い描く豊かな素材が詰まっている◆受賞の言葉で「妻との二人の影だったので」知り合いにひやかされたとか。審査委員長・小口和利さんは、写真を撮る効用は「人生を楽しくすることにあります」と語っている。そんな写真が17点選ばれた。見る人を楽しくさせてくれる写真でもある。次回は今年下半期(7~12月)に掲載する作品が対象。ぜひご応募を。