出口クリスタが五輪で金 故郷・塩尻でPV、深夜に大歓声
パリ五輪第4日の29日、柔道は女子57キロ級があり、塩尻市出身でカナダ代表の出口クリスタ=日本生命、松商学園高―山梨学院大出=が金メダルを獲得した。初出場の舞台で望んだ結果をつかみ取った。夏季大会個人種目での金メダルは県出身者で初。地元では妹のケリーが出場した第3日に続いてパブリックビューイング(PV)を開催し、郷土の柔道家の勇姿に大いに盛り上がった。
出口クリスタ選手の金メダル獲得に、松本平が歓喜に包まれた。
地元・塩尻市の塩尻総合文化センターで29日夕方から30日未明にかけて開かれたパブリックビューイング(PV)。午前1時ころ始まった決勝を80人ほどが観戦し、祈るように画面を見つめ「頑張れクリスタ」「行け行け」と声援を送った。延長戦で相手への三つ目の指導で金メダルが確定すると「やった」「金だ」と大歓声が上がった。
PVを観戦した松商学園高校柔道部の手塚裕司監督(38)は「本当によく頑張った。自分を貫き、諦めない姿勢が金メダルにつながった」と喜び、小学校から高校まで出口選手と柔道に打ち込んだ山田侑佳さん(28)=松本市笹賀=は「相手への敬意を忘れない、クリスタらしい柔道だった」とほほ笑んだ。百瀬敬・塩尻市長は「満身創痍の中で勝ち抜いた見事な金メダル。市を挙げて温かく迎えたい」と語った。
自宅で観戦した恩師たちも一様に祝福した。松商学園高柔道部前監督の山口泰志さん(63)=松本市島立=は「五輪の金は格別。精神的なタフさを身に付け、より素晴らしい選手になった」とたたえた。出口選手の中高時代に指導した手塚明日香さん(39)は「五輪を志してから8年間、必死になってやってきたこと全てが金につながった」とかみしめた。
先輩の快挙に、早速刺激を受けた松商学園高柔道部の我妻結凪さん(17)=3年=は「鳥肌が立った。クリスタさんのように、自分もいずれは世界で戦える選手になりたい」と興奮気味に語った。同部の徳永右京さん(17)=同=は「本当にすごい。自分たちも松商柔道部として恥じない後輩でありたい」と力を込めた。