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服飾系学生が安曇野で穂高天蚕糸学ぶ 来年3月に東京でビジネスプラン提案の審査会

見つけた繭を収穫する学生

 安曇野市の穂高天蚕糸を活用した新たなビジネスプランを提案する市のコンテストが4年目を迎えた。本年度最初の取り組みとして、東京と大阪の専門学校でアパレルデザインを専攻する学生が8月1日まで、市内に滞在して天蚕糸について学んでいる。市は本年度、ビジネスプランの審査会を東京都内で初めて開く予定で、首都圏に穂高天蚕糸の魅力を発信する。

 学生たちは30日、安曇野市穂高有明の飼育林で繭の収穫を体験した。葉の裏にある薄緑色の繭を見逃さないように、しゃがんで目を凝らしていた。1時間ほどで10個以上を見つけた学生もいた。
 本年度は10~20代の学生9人がコンテストに参加している。大阪府の大阪文化服装学院2年・宇髙稜太さん(19)は「黄緑色という特徴を生かして魅力を広められるのではないか」と話していた。
 学生たちは市内で天蚕糸の特徴などを学び、来月以降は数人ずつのチームに分かれてオンラインで打ち合わせを重ねる。審査会は来年3月に開催予定だ。市天蚕振興会の田口忠志会長(77)=安曇野市穂高有明=は「天蚕を守っていかなければいけないが、育てる担い手がいない。もし無くなってしまったら復活は至難の業だ」とし、コンテストが穂高天蚕糸の魅力発信だけでなく後継者確保にもつながるよう願った。