政治・経済

中心街将来像の検討開始 松本市長諮問機関、市民意見踏まえ提言へ

中心市街地再設計検討会議の初会合。「中核エリア」の将来像の再検討が始まった

 松本市の松本駅周辺から松本城にかけての「中核エリア」の将来像を検討する臥雲義尚市長の諮問機関「中心市街地再設計検討会議」が29日、発足した。相次ぐ大型店の閉店発表や駅周辺の商業ビルの老朽化を機に「街の新陳代謝」が求められる中、公共空間の再編や民間投資の促進策について市民の声を聞きながら検討し、年度内に市長に提言する。

 赤羽眞太郎・松本商工会議所会頭が座長となり、アルピコ交通、JR東日本長野支社、松本観光コンベンション協会の各代表、公共政策や都市デザインなどの有識者、駅周辺で事業を営む若手経営者らが委員を務める。
 最重要テーマは駅周辺だ。昭和40~50年代の再開発から半世紀近くがたち商業ビルが軒並み老朽化。井上本店は来年3月末に閉店する。初会合では委員から「歩いてみたくなる緑、日陰が駅前に少ない」「文化芸術の薫りがしない。駅周辺の街区公園を再生することで民間投資を呼び込めるのでは」との指摘が出た。
 中核エリアには、来年2月末に閉店する松本パルコ周辺や、建て替え予定の市役所周辺も含まれる。「城下町を大切にしたまちづくりをしてほしい」「駅からお城への導線となる道路の使い方の見直しまで踏み込むかどうかは重要なポイントだ」との意見も聞かれた。
 10月にワークショップ、12月にシンポジウムを開いて市民の意見を聞き、提言を取りまとめる。市は今後の方向性として、駅周辺の建築物の高度化・集積化に向けた規制の見直し、新庁舎計画で浮上する本庁舎敷地の新たな利活用などを視野に入れる。
 臥雲市長はあいさつで「女性と若者に選ばれるまち、そのダイナモ(動力源)となるエリアを皆さんと幅広い議論をくみ取ってつくり直したい」と述べた。