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北ア南部遭対協の相談役・望月重男さん 山岳救助で警察協力章

山岳遭難救助功労で警察協力章を贈られた望月さん

 北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会(遭対協)の相談役で、安曇野市穂高柏原の農業・望月重男さん(72)が警察庁長官から警察協力章(山岳遭難救助功労)を贈られ、29日に県警本部で伝達式が開かれた。鈴木達也県警本部長から協力章を受け取った望月さんは「救助活動は一人でできるものではなく、代表していただいたと思っている」と喜びと感謝の気持ちを語った。

 望月さんは小学生のころから父親に連れられて山に登り、南安曇農業高校在学中は山小屋への荷揚げを手伝っていたという。
 高校を卒業すると、昭和45(1970)年に遭対協の救助隊に入り、平成8(1996)年に班長、19年に副隊長になった。54年余の活動で出動は200回を超え、130人以上を救助した。救助中に大規模な落石があり「1、2秒逃げるのが遅れていたら巻き込まれていた」という経験など、危険に遭遇したことも数多い。「大きなけがもなく活動できたのは、運が良かったのかな」と振り返る。
 長年にわたり活動を続けてこられたのは「山が好き。山で亡くなる人がいると『助けなきゃいけない』という思いが強くなる」からだ。使命感が強く、山で悲しい思いをする人が少しでも減ってほしいと願っていた。