地域の話題

王滝の「大般若経」公開 県立歴史館の企画展出品 義仲ゆかり 鳳泉寺所蔵

県立歴史館の企画展に出品されている、王滝村の鳳泉寺所蔵の「大般若経」(右は笹本正治特別館長)

 平安末期の武将・木曽義仲の生涯を紹介する、県立歴史館(千曲市)で8月25日まで開催中の企画展「疾風怒涛 木曽義仲~文書と絵画でみる義仲の一生」に、王滝村の鳳泉寺が所蔵する「大般若経」が出品されている。

 『王滝村誌』などによると、「大般若経」は義仲没後の鎌倉初期に、義仲の異母妹が菩提を弔うために写経させたとされる。当初は馬籠(岐阜県中津川市)の寺に納められていたようだが、その後全600巻の大部分が散逸したとみられ、鳳泉寺には74巻が伝わる。昭和47(1972)年の鳳泉寺改築で発見され、大々的な公開は今回が初めて。
 村文化財保護審議委員の田近清暉さんは「義仲の三十三回忌を前に完成したものではないか」と推測し「王滝にある歴史的な資料が展示されるのは名誉で光栄なこと」と喜ぶ。
 村教育委員会などは8月1日、村公民館発着の企画展見学ツアーを行う。栗空里美館長は「村民の中でも知らない人が多い村の宝を、この機会に知ってもらえたらうれしい」と話している。希望者は7月25日までに申し込む。問い合わせは村公民館(電話0264・48・2134)へ。