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とげのある外来植物 アメリカオニアザミが松本で目立つ

市役所駐輪場塀際に生えたアメリカオニアザミを駆除する市職員

 松本市内で、するどいとげのある外来種「アメリカオニアザミ」の目撃報告が増えている。タンポポのように綿毛を飛散させて生息域を広げる種で、道路の隙間や塀際、裸地などで目につくようになってきた。市外では小さな子供や散歩中のペットが接触してけがをした報告もあり、市は「敷地内で見かけたら速やかに駆除して」と呼び掛けている。

 欧州原産のキク科の2年草で、7~10月に開花する。高さ2メートルを超える個体もあり繁殖力が強い。在来の植物を駆逐する可能性があるとして、環境省が「生態系被害防止外来種」に指定している。
 冬から早春にかけては株が小さく目立たないため、昨年度秋から年度末にかけての市公式ライン「外来植物分布調査」への報告は、2件のみだった。開花、結実に向けて株が大きくなる5月以降増え始め、これまでに5件ほどが寄せられている。特定外来生物の「アレチウリ」や「オオキンケイギク」に比べると認知度が低いものの、目立つ姿と危険度から関心が高まっている。
 駆除には皮手袋や厚手の丈夫なゴム手袋が必須で、鎌で刈り取るか根ごと掘り起こして可燃ごみとして処理する。市環境・地域エネルギー課は「可燃ごみに出す際はとげが袋から突き出ないように配慮してほしい。できるだけ花が咲く前の駆除を」と話している。