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松本市城東地区 住民がごみ出しや草取りを支え合い 有償事業を今秋開始へ

地域支えあい事業をPRするチラシと利用券の見本

 松本市の城東地区で本年度、増加する高齢者の日常生活を助ける「地域支えあい事業」が始まる。高齢者世帯などを対象に、ごみ出しや雪かき、庭木の枝払いなどを「支えあい協力員」が有償で行い、住民同士の絆が深まることも狙う。今後、協力員の募集や事業の周知を図り、今秋のスタートを予定する。

 高齢者の支え合い事業は市内8地区で行われるほか、市社会福祉協議会が「有償生活支援事業つむぎちゃんサポート」を平成19(2007)年度から実施している。城東地区社協が令和2年度に全戸アンケートを行ったところ、数百件の支援要望が出たことから、4年度から地区社協福祉部会で事業化を検討してきた。
 20日に城東公民館で開いた事業運営協議会で、利用料や実施要項などを定めた。事業主体は地区社協で、愛称を「城東ふれあい隊」に決めた。町会に加入している65歳以上の1人暮らし世帯と、80歳以上の高齢者世帯を対象にする。支援内容は▽雪かき▽枝払い▽物品の移動▽草取り▽屋外の片付け・清掃▽電球交換▽掛け時計の電池交換▽電気製品の操作トラブル対応▽ごみ出し―の9項目で、利用料金は100~500円と設定した。
 城東地区地域づくりセンターで1枚100円の利用券を10枚つづり1000円で販売して、利用者が料金分の利用券を協力員に渡し、その後、地区社協から協力員にその料金が支払われる。
 城東地区の人口は約2000世帯・3500人で、4月1日現在の高齢化率は32・2%と市平均(28・6%)を上回っている。地区社協福祉部会の田嶋憲二部会長は「住み慣れたこの地区で長く暮らしてもらえるように、住民同士の支え合いを強めたい」と話している。