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熊の目撃 早くも相次ぐ 出没の恐れ箇所 集中点検

熊の餌場となり得る樹木などを確認する関係者。手前右は桑の実

 木曽郡内で今年、例年より早い時期から熊の目撃が急増している。特に目撃情報が多い木曽町の木曽駒高原一帯で19日、県や町、地元猟友会などでつくる野生鳥獣被害対策チームが、熊が出没する恐れがある場所の集中点検をした。木曽文化公園駐車場や木曽駒森林公園など4カ所を巡り、見通しが悪く熊が潜みやすい草やぶや、熊を引き寄せて餌場となり得る樹木などを確認し、改善策を考えた。

 県木曽地域振興局林務課によると、5月末までの郡内の集落での目撃情報は37件(前年同期比25件増)だった。例年だと6~9月に目撃が増えるが、今年は5月から増えている。特に、親離れしたての若い熊(体長1㍍程度)や親子の熊の目撃が多い。人身事故は起きていない。
 木曽町には19日までに昨年同期比で2倍超となる29件の目撃情報が寄せられ、うち木曽駒高原が10件を占める。町建設農林課によると、昨年の6月末までの数よりも多いという。
 町は日義中川地区の点検箇所を緩衝帯として整備する予定で、周辺のキャンプ場利用者に向けた周知も徹底する。信州大学山岳科学研究拠点助教で、県クマ対策員の瀧井暁子さんは「春夏は、昼行性の熊が多く、朝・夕に活動する。熊と合うかもしれないと考えて鈴・ラジオなどを携帯し人の存在を知らせてほしい」と呼び掛ける。
 24日には南木曽町田立でも点検が予定されている。