政治・経済

松本市の施設 進まぬ削減 集約・複合化を推進へ

市大手門駐車場を解体した土地に建てられた市立博物館。新たな施設が建設され、施設削減率の低下にはつながらなかった

 松本市が公共施設を適正に管理するために定めた総合管理計画(平成28~令和27年度)で、施設の削減目標の達成が現状だと極めて困難な状況となっている。市は769施設を管理し、将来の費用負担を軽減するために「30年間で20%削減」を目標に掲げるが、現状だと令和7年度末で1・5%にとどまる見込み。市は施設の集約・複合化を進める方針だ。

 平成28(2016)年以降、四賀地区の旧会田小学校の解体や、大手門駐車場(大手3)の一部解体で施設の保有面積11%を減らした一方、市防災物資ターミナル(島内)や市立博物館(大手3)など大型施設の整備で9・5%増加した。17日の市議会6月定例会の一般質問で、川久保文良氏(開明)が削減目標が達成できるかどうかただし、田中史郎総務部長は「現時点では困難」との見解を示した。
 計画では平成28年度から10年間で10%、30年間で20%の削減を目的としている。田中部長は、市有769施設を令和3年から30年間で耐用年数に応じて更新すると、総額が3378億円かかることも説明。計画通りに施設を削減しなければ、将来的に更新費用が大きな負担となる。
 令和5年度には築40年が経過した寿台児童館と、手狭となった内田児童館を統合し、明善小学校内に児童センターを新設した。統合で施設数を減らし、維持管理費を削減したが、主な統廃合はこれにとどまる。令和8年度には計画の見直し(改定)を図る予定で、市公共施設マネジメント課の小岩井宏課長は「施設の集約・複合化を効率的に進め、必要な機能を維持した上で削減を進める」と話している。