教育・子育て

捕獲したシカ、感謝して肉に 聖南中でジビエ学ぶ授業

ジビエの解体業を営む近藤さん(左)から鹿肉について学ぶ生徒たち

 筑北村の聖南中学校で14日、総合的な学習の時間で地元の食について探究している1~3年生のグループ17人が、ジビエ肉の解体業を営む茅野市の近藤重さん(51)の講義を受けた。村内で捕獲されたニホンジカは全て近藤さんの会社で処理されていて、おいしく食べられるように努力していることを学んだ。

 近藤さんは20歳から狩猟を始め、「食べ物やいただく命への感謝の思い」から30歳の時に起業したことを語った。鹿肉の部位の説明をし、「血が肉の硬さや臭みのもとになる。きれいに処理すれば誰でもおいしく食べられるようになるので、絶対に手を抜かずにやる」と強調した。
 わなに掛かって死んでしまい、食肉に適さなくなった鹿はペットフードに加工され、無駄にしないようにしていることも説明した。鹿は放っておくと増える一方のため、「頭数を管理するのは人間の仕事」と語った。
 生徒からは「解体の道具は?」「タンパク質が牛や豚より多いのはなぜ?」といった質問があった。8月30日には実際に肉を切る体験も行われる予定で、2年生の宮澤歩夢さんは「バラの部分の切り方を知りたい」と楽しみにしていた。