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ヘルメット購入補助、高齢者も 松本市が9月開始へ

ヘルメットを着用して自転車に乗る高齢者。市が新たにヘルメット購入補助を始める

 松本市は本年度、自転車乗車時のヘルメット着用を促進する一環で、高齢者がヘルメットを購入する際に補助する取り組みを始める。昨年度に始めた高校生への補助が着用率の向上につながったとみており、対象を拡充して、さらなる意識啓発を図る。

 市内在住の65歳以上が対象で、購入費用の2分の1(上限3000円)を補助する。9月に受け付けを始める予定で、800人の申し込みを想定している。市は開会中の市議会6月定例会に提出した本年度一般会計補正予算案に、関連費用246万円を盛っている。
 市と松本警察署が4月18日の午前7時半~8時半に市街地の深志2交差点で行った調査では、自転車乗車時のヘルメット着用率は県平均の17・3%を大きく上回る51%に上った。新学期が始まったばかりで朝の通勤・通学時間帯だったことから調査対象の多くを高校生が占め、数字が伸びたとみられる。市自転車推進課は「市外在住で市内の高校に通う生徒にも補助している。ヘルメット着用が浸透してきた」と手応えを語る。
 県全体のヘルメット着用率調査は、高校生よりも一般市民のサンプル数が多く、数字を押し下げているとみられる。一般への意識啓発は今後の課題だ。
 県の平成30(2018)~令和4年のデータでみると、高齢者の自転車事故の29・7%が死亡または重傷で、ヘルメットの普及啓発が欠かせない。同課の武井厚志課長は「安全のためにヘルメットをかぶってほしい。命を守る第一の取り組み」と力を込める。