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陸ワサビ栽培に手応え 南木曽 収穫3季目 遊休農地解消・特産化へ

陸ワサビを収穫する会員

 南木曽町の農業委員有志でつくる「南木曽町しあわせ農業の会」は、読書の梛野(なぎの、ないの)地区で栽培を試みている陸ワサビの3季目の収穫をした。前季より収穫量は減少したが、会員は取り組みの目的である遊休農地解消や新たな特産品開発に可能性を実感しており、引き続き栽培技術の確立、普及に努めていく。

 休耕田に作ったハウス内の約1・8㌃に昨年10月、苗約1600本を植えて育てた。収穫は今月7~9日に行い、会員や家族らが高さ60㌢ほどになった陸ワサビを根元から次々と鎌で刈り取った。
 収穫量は約480㌔で、前季より約160㌔減った。同会の生産担当・松原徳則さん(72)は「消毒や除草の不足が原因に考えられる。来季の改善点」とした。茎を太く育てるなどして収穫量のさらなる増加を図っていくという。
 陸ワサビは寒さに強いなどの特長があり、春ころには花も食用に出荷できるという。ワサビの加工・販売のマル井(安曇野市)から技術指導を受けており、収穫分は全て同社が買い取るため販路も確保されている。
 松原さんはこうした利点を挙げて陸ワサビの可能性を指摘する。収穫中には岐阜県恵那市の農家が視察に訪れるなど注目されており、「遊休農地解消の選択肢として取り組みを続けていく」と力を込めた。