政治・経済

空き家相談会通年で開催 安曇野市が19日から

空き家相談会の実施を周知するチラシ

 安曇野市移住定住推進課は19日を初回に、「専門家による空き家相談会」を通年開催する。不動産を相続したときの登記手続きが4月に義務化され、市への相談が増えていることから企画した。空き家対策に関わる各種制度を周知し、流通・利活用の促進につなげる。
 相続登記は、不動産の所有者が亡くなったときに相続人へ名義変更する手続きで、相続の発生を知った日から3年以内に行う必要がある。正当な理由なく登記を怠ると10万円以下の過料が科されることもあり「遺産相続に関わりが深くなる特に50~60代にとって切実な関心事となっている」(同課空家活用係)。
 中古住宅の流通活性化を目指す団体「NEX―T(ネクスティ)安曇野」の協力で、来年3月まで毎月第3水曜日午前に市役所で相談会を開く。建築士や宅地建物取引士、司法書士などネクスティ会員が応じる。
 市は、所有者が行う片付けや解体、空き家を購入した移住者が実施する改修に関わる補助金制度を令和2年度に新設し、対策を進めてきた。昨年度の交付実績は70件・2791万円で、初年度に比べて件数は1・8倍、金額は1・9倍に伸び、今後も高い活用ニーズを見込む。不動産を利用、売却するには所有者を明らかにする登記が前提だ。
 市はおおむね1年以上、居住や利用実態がない空き家979戸(昨年末)を確認している。管理が行き届かず治安や景観を損ねているなどとして昨年度、170件に上る苦情を受け付けた。空家活用係は「目的なく不動産を持ち続けるデメリットやリスクに意識を向けてもらえたら」としている。
 相談無料。本庁舎や各支所に配置する申込書やメールで受け付ける。問い合わせは空家活用係(℡0263・71・2011)へ。