塩尻市受け付け児童相談 5年度は1898件 2年連続減
塩尻市が昨年度に受けた虐待を含む家庭児童相談は延べ1898件で、前年度比で4.2%(83件)減った。減少は2年連続。新型コロナウイルス禍以前から続き、令和3年度(2146件)がピークとなった増加傾向は一服したが、依然として高止まりしている。社会情勢や家庭状況の複雑化などを踏まえ、市は今後も高い水準で推移するとみている。
5年度の相談件数を月別にみると、夏休みに入る7月が175件、年度末の3月が173件と多かった。下半期(10月~3月)は934件で前年同期に比べて12.4%(132件)減った。
新規相談は190人で、児童虐待が35%(66人)、その他養護相談が47%(90人)と多かった。
児童虐待の内訳は、暴言や子供の面前での夫婦間DV(暴力)の「心理的虐待」が51.5%(34人)、「身体的虐待」が42.4%(28人)、ネグレクト(育児放棄)が6%(4人)だった。主な虐待者は実父、虐待を受けているのは小学生が最多だった。
その他養護相談は、保護者の精神不安や経済的事情・金銭的不安などが大半だった。相談は、家族・親戚と児童相談所からが多かった。
従来、この事業を担当してきた家庭支援課が本年度に改変され「こども未来課」になった。市は、相談件数が多いことは必ずしも悪いことではないとみており、「相談窓口が浸透しているためではないか」と受け止めている。同課担当者は「困っていても行政支援になかなかつながりにくい家庭を掘り起こし、支援が届くようにしていきたい」としている。