山形村史談会が50周年の会報

地域の歴史研究や発信に取り組んでいる山形村史談会が、昭和49(1974)年の発足から50周年を迎えた。半世紀にわたって地域の歴史を見つめ、掘り起こすことで村の個性や魅力に光を当て、未来につながる活動を重ねてきた。設立記念日の8日、設立した年に創刊した会報「郷土」の168号を、特別号として発行した。
地域の歴史を見直し村誌や地区史を編纂する機運が高まっていた高度成長期を経て、山形小学校で校長を務めた太田議一さんが中心になり会を設立した。当時の会員は37人。会員が寄せた原稿を集めて会報を年数回発行し、郷土を再発見する村内探訪、歴史講演会などを毎年企画している。
「郷土」特別号には発足当時からの会員を含む13人が寄稿した。通常は1冊20ページ程度だが、2倍以上の計約50ページになり2冊で発行。会員や村図書館、村教育委員会へ配布した。
▽史談会を振り返る▽地域の歴史と歩む▽災害と対応の歴史―の3項目で構成し、会の歴史や思い出、村の歴史と家族や自身の来し方を重ねた原稿をまとめた。平成28(2016)年に村内で発生した雨氷被害の対応、東日本大震災の被災地支援の記録といった現代の歴史も掲載した。
「郷土」の題字は、会報初代編集者で創刊から26年間ガリ版で発行を続けた太田さんの文字だ。6代目編集者の直井雅尚さんは「創刊の精神を大切にしていきたい」と話す。50周年を記念し、ロゴマークの制作や過去の会報をまとめた復刻版の発行も計画する。高野嘉敬会長は「歴史を知ることは未来をつくること。先輩方の熱意と会の使命を胸に新たな歩みを重ねていきたい」と話している。