地域の話題

ヘルメット持参率 愛知県低く 御嶽山の登山者調査 専門家「噴火思い出して」

 御嶽山(3067㍍)に登る人たちのヘルメット持参率を都道府県別に調べた結果、愛知県が最も低かったことが5日までに分かった。名古屋大学御嶽山火山研究施設(木曽町三岳)と木曽町が令和4、5年に共同で登山者アンケートを実施したところ、愛知県の持参率は初年が35・6%、2年目が54・8%にとどまった=グラフ参照。愛知県は木曽地域に比較的近く、水源地の一つで山岳信仰上のゆかりも深い御嶽山に登る人が多いだけに、愛知県での安全登山啓発の必要性が明らかになった。

 アンケートは、町主催の登山者参加型避難訓練に合わせて、黒沢口登山道5~7合目に架かるおんたけロープウェイと、6合目・中の湯登山口で実施した。初年は9月17日、2年目は8月26日に行い、それぞれ313人、88人が回答した。
 全体の持参率は、初年が61・1%、2年目が62・5%だった。都道府県別に登山者数が初年に全体の2割、2年目に3割を超えて最も多かった愛知県が、両年とも最下位だった。長野県は両年とも最も高く、初年が70・3%、2年目が85・7%だった。登山者数は東京や神奈川なども目立った。
 名大御嶽山火山研究施設の金幸隆特任准教授は「気軽に来られる近隣都市圏から来る人の意識が低いと推測される。まずは中京圏の人たちに(死者・行方不明者63人を出した10年前の)噴火災害について振り返ってほしい」と話している。