連載・特集

2024.6.6 みすず野

 池田町の北アルプス展望美術館で、23日まで開催中の「日本山林美術協会安曇野展」を見た。先日の東筑・北安面の記事に添えた会場写真に有明山らしい山を描いた作品が2点あり、確かめてみようと出かけた◆同館は有明山と安曇野を挟んで向き合う位置に建つ。館の正面玄関で振り向くとそこに有明山の威容がそびえる。それを確かめてから会場に入った。会場には会員34人の洋画、日本画が展示されている。目当ての作品は何点もあった◆館から見たままの風景を描いたと思われる作品も。富士山をテーマにした大作もあったが、白馬村など県内の山や風景を題材にした作品に目が行く。見覚えのある山や村落の様子が、新たな風景として表現されているようだった◆館を訪ねたのはずいぶん久しぶり。入り口まで階段が3ブロックに分かれている。最初の十数段を上ったところで、足が急に疲れた。江戸時代の地元の教育者・杉山巣雲の銅像を見ながら、運動不足を痛感する。階段両側に植えられたラベンダーの紫色の花に励まされて、残りのブロックを上る。有明山の山頂は、あいにく雲に隠れて見えなかった。再訪する理由ができた。