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「逆さ御嶽」水田の絶景 木曽町開田高原に遅い農繁期到来

田植えを待つ水田に映り込んだ「逆さ御嶽」(5日午前7時ころ)

 木曽町開田高原西野の風物詩「逆さ御嶽」が見られる季節を迎えた。無風の状態が続くと水田が鏡のようになり、残雪の御嶽山が上下逆さまとなって映り込む。標高1000メートルを超える山里に遅い農繁期の訪れを告げる絶景は、晴れた日には特にきれいに見ることができる。

 二十四節気の一つで穀物の種をまく時季とされる「芒種」に入った5日、西野地区神田集落の森田邦雄さん(67)の水田には、御嶽山が鏡像となってくっきりと浮かんでいた。飛び交うツバメが水面に接触し、「水切り」の小石のように鏡面に波紋を描いていた。
 芒種は「夏至」の一つ前の節気で梅雨入り前に当たり、雨が間断なく降り続く時季とも言われる。森田さんは「天候が不安定だったが、今朝は御嶽がきれいに見えるね」と話していた。
 森田さんは7日に田植えを予定する。