竹林整備を就労の機会に 生坂の授産施設

生坂村草尾の授産施設・村社会就労センターが、利用者による村特産のハチク(淡竹)の竹林整備を試みている。ハチクのタケノコは一般的なタケノコに比べてアクや苦みが少ないとされ、直売所で近年人気が高いが、竹林の管理や収穫の担い手は高齢化が進む。センターは、竹林整備を通じて利用者の工賃確保やハチク産地の維持拡大、管理できない竹やぶの解消に役立てばと考えている。
利用者の中には屋外作業を望む人が複数おり、春~初夏にはシイタケのこま打ち作業やワラビ採りに取り組んでいる。さらなる就労機会の確保につなげようと竹林整備を思いついた。
上生坂にある宮川頌啓所長の竹林約400平方メートルで、4月下旬から間伐や収穫などの作業を行っている。5月下旬までの約1カ月間で薄暗く生い茂っていた竹やぶに日差しが入って明るくなり、竹林内に足を踏み入れやすくなって収穫も容易になった。現在は村のチッパー機を借りて伐採した竹の粉砕作業にも取り組み、竹チップを使った肥料(土壌改良材)活用も検証したいという。
宮川所長は「個々の家庭では竹林の管理が難しい場合もある」と需要を見込み「利用者の作業量にも限度はあるが、今回の作業を参考に村内の竹林でうまく請け負えるか検討していきたい」と話している。