地域の話題

JR東日本の社員が安曇野で農作業支援

塚田さん(左)の手ほどきで摘果を学ぶJR東日本の社員たち

 安曇野市は、市内農産物をJR中央東線の特急あずさで運んで新宿駅で販売する「あずさマルシェ」を9月に計画している。首都圏住民に安曇野産を売り込む一方、足元では農繁期の人手不足という課題が横たわる。地域とつながって課題の解決に役立てることはないか―と、マルシェに協力するJR東日本の社員が市内で農作業支援に乗り出した。
 JR東日本の本社と長野支社松本統括センターの社員が、22日と23日に6人ずつ三郷小倉でリンゴの摘果に汗を流している。22日はマルシェにも参加予定の果樹農家・塚田耕一さん(38)の畑で行われた。塚田さんは「商品のバックボーンを知ってもらうのは大事なこと」と話し、社員たちに摘果の仕方を丁寧に指導していた。
 農作業支援は今後も行われ、7月と8月に桃の葉摘みや収穫、9月にスイートコーンの収穫を予定する。
 JAあづみが利用している、農家と働き手を一日単位で結ぶ農作業マッチングアプリを活用している。JR東日本はこのアプリで社員による副業を解禁しており、長野県や山形県で農作業支援を展開している。松本統括センターの梨子田盛一さんは「こういう体験はすごく新鮮。日頃の業務の良いアイデアやリフレッシュにつながれば」と期待する。
 同JA農業企画課の原一道さんは「農業も人手不足が深刻。補ってもらえるのはありがたい」とJR側の厚意に感謝していた。
 マルシェの開催は3年目で、9月20日と21日に予定する。JR東日本の社員と一緒に農産物をPRし、安曇野や農産物の魅力を発信する。市農政課は「首都圏から安曇野を訪れてもらうことも目的にしている。関係人口の増加につなげていきたい」としている。