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ニューヨークタイムズ 松本市時計博物館を紹介

日本最大級の振り子型時計がランドマークの松本市時計博物館

 米国新聞大手「ニューヨーク(NY)タイムズ」に、松本市時計博物館(中央1)が取り上げられた。時を刻み、時を守り続ける国内時計ミュージアムの代表格として、紙面と電子版の双方に掲載されたという。できる限り動いた状態で時計を見せる「動態展示」にこだわり、国内外のユニークな時計を収蔵する同館の魅力が世界に発信された。

 記事の見出しは「This Japanese Museum Actually Keeps Time(時を守る日本の博物館)」。同館によると掲載は4月15日付。電子版は同館ホームページからも閲覧できる。
 記事では、日本のアルプスの麓に広がる松本市に「全国でも有数の古時計コレクションを有し、動態展示を行う」博物館があると紹介。松本の街の特色や同館建設の経緯にはじまり、振り子が動き一斉に時報が鳴る館内、逆さ時計や振子飛球置き時計といった興味深い展示内容、独自の発展を遂げた和時計の文化などを紙幅を割いて丁寧につづっている。
 宝飾分野を担当する記者からオファーがあり3月に取材を受けた。「驚きつつもうれしいお声掛けだった」と松田佳子館長は話す。記者、通訳のほかカメラマンが訪れ、松本や館内の魅力的な写真も多数掲載された。インバウンド需要が回復し、同館を訪れる外国人旅行客が増加傾向にある中、NYタイムズが追い風になっている可能性もあるという。
 記事の締めには同館コレクションの礎を築いた本田親蔵(1896~1985)の思い「時計は動いてこそ価値がある」も紹介された。小林駿学芸員は「スマートウオッチが世界的に台頭する時代だが、脈々と続く時計の技術や産業に目を向けてもらう機会にもなればうれしい」と話している。