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防災士資格取得へ補助 木曽町 本年度 災害備え人材育成

防災士の資格取得に関わる補助金制度の詳細が掲載されている広報きそまち補助金特別号

 木曽町は本年度、防災士の資格取得を促すため、必要な経費を助成する補助金制度を新設した。木曽地域では初めての制度で、令和3年夏の豪雨災害や今年1月の能登半島地震など全国各地で自然災害が頻発する中、防災・減災の知識を持つ人材育成を通じて地域防災力の向上につなげる。

 防災士は、自助・共助を理念に防災に関する知識と技能を得た人が取得できる民間資格で、日本防災士機構(東京都千代田区)が認証した研修機関での養成講座の受講後、資格取得試験で合格する必要がある。消防署などが主催する救急救命講習を修了すると、登録申請できる。消防団分団長以上経験者らは、一部もしくは全部の課程が免除される。
 一連の資格取得にかかる費用は4万円程度と見込んでいる。町の制度は、町民を対象に資格取得に必要な経費を上限4万円で補助する内容で、町は本年度当初予算に約25万円を盛った。
 防災に関わる人材育成については町議会一般質問でたびたび取り上げられていた。人口減少が進む町で、具体的な知識を生かして普段からの防災意識向上の啓発や、災害発生時に地区役員らと連携した自助・共助のリーダーシップが求められる。
 町が昨年、町内の防災士資格保持者を対象に実施したアンケートを受けて、将来的な組織化も視野に入る。町総務課危機管理室の古畑章夫室長は「意欲のある人に活動してもらうことで、地域内の安心安全につながれば」と話している。制度に関する問い合わせは町危機管理室(電話0264・22・3000)へ。
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 資格取得に必要な養成講座は、木曽町の最寄りでは松本大学(松本市)で受講できる。本年度は3回開催し、直近だと6月29・30日に予定する。詳細は同大学のホームページへ。