2024.5.19 みすず野
かつて憧れた国産スポーツカーがずらり。過日、松本市で開かれた展示会を訪れ、目をみはった。公道を走っているところは、すっかり見なくなった旧車を含む105台。各車とも使い込まれた形跡はあっても手入れがしっかりされていて、大切にされていることが見て取れた◆思春期のころ、丸目のテールランプが特徴のスポーツカーに心を奪われた。夕日が北アルプスの向こうに落ち、辺りが青紫色に染まる時間、カーブを曲がって丸目の光が流れていく様に見とれた。その後、好みが変わって、その車のハンドルを握ることはなかった。が、展示会でその車を見つけ、遠い記憶がよみがえった◆展示会の主催者に話を聞くと、新車で500万円ほどだった車が、年月を経て希少車となった今は3000万円ほどで取引されるのも珍しくないとのこと。「盗難が怖くて、おいそれと乗って出掛けられない」。もはや車というよりは、骨董の類いだ。確かに、どの車体にも芸術性は感じられる◆展示会の狙いは、昨今いわれる「若者の車離れ」のくい止め。昔のように、多くの若者たちが車に興味を持てば、経済活性化にもつながるだろう。