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鹿嶋神社の絵馬 時を超えた色彩 大桑村歴史民俗資料館 展示会 350年前の作品も

武者図、なりわい図、故事、物語など多彩な題材の絵馬が並ぶ会場。いずれの作品にも解説が付く

 大桑村須原の鹿嶋神社に奉納された絵馬の展示会が27日、大桑村歴史民俗資料館で始まった。いにしえの絵師らが筆をふるった90点が並ぶ。最も古い物で延宝4(1676)年の物が4点あり、350年がたっているとは思えない鮮やかな色合いを残している。5月11日まで。

 延宝4年の絵馬は「武者二人」「富士の巻き狩り」「鬼退治」「媼と翁」が題名で、赤、白、金の色がくっきり残り、細部まで詳細だ。最大の絵馬は寛延2(1749)年奉納で幅2・2㍍、縦1・8㍍の「戦いの図」。画面いっぱいに源平合戦と思われる様子が描かれている。
 絵馬は拝殿内の高く暗い場所に飾られていた。平成29(2017)~30年の拝殿建て替え工事に合わせて外し、資料館で保管してきた。拝殿の建設委員長を務めた高樋悟さん(81)は「絵馬を間近に鑑賞できる機会は今回の展示会が最後。寄進者や絵師名などがしたためられた細部や作品の裏面までしっかり見てほしい」と願っている。
 午前9時から午後4時までで30日と5月7日は休館。問い合わせは大桑村歴史民俗資料館(電話0264・55・3550)へ。