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フレイルAI検知に効果 電力データ分析 市がサービス参加者募集

フレイル予防サービスをPRするチラシ

 松本市は、昨年度から本格実施している電力データを活用したフレイル(虚弱)予防サービスの取り組み状況をまとめた。介護認定を受けていない75歳以上の1人暮らし約4000人が対象で、昨年度登録した545人のうち57人がフレイルと検知され、市の保健師らが指導に当たった。市は一定の効果があるとみて、本年度も参加希望者を募っている。

 サービスは中部電力(本社・名古屋市)などと協力して、高齢者の外出状況や就寝の時間、活動時間などを電力データから人工知能(AI)が分析し、フレイルの兆候を早期発見する取り組み。令和4年度に実証実験を行い、昨年度に本格導入した。フレイルの検知に使われるのは中電が各家庭に設置している電力スマートメーターで、特別な作業は必要なく、申し込めばすぐに無料で参加できる。
 市健康づくり課によると、フレイルの兆候があると検知された人の多くは自覚がなかった。保健師らが地区で開かれる交流会への参加を促したり、市立病院(波田)のフレイル外来を紹介したりした。
 市の取り組みは昨年4月にスタートしたが、12月末の登録者は192人にとどまっていた。市が参加を促そうと今年1月に対象世帯にダイレクトメールを出したところ、300人以上登録が増えた。同課は「事業を知らない人が多いのでPRに努めたい」と話している。
 事業の問い合わせは健康づくり課(電話0263・34・3217)へ。

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