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信玄の水中墓探索に参加 塩尻市高出のプロダイバー・清澤康成さん 諏訪湖で

諏訪湖での潜水調査を終え、帰港した清澤さん

 戦国時代の武将・武田信玄の水中墓を探す潜水調査がこのほど諏訪湖であり、塩尻市広丘高出のプロダイバー・清澤康成さん(50)がダイバーチームの一員として参加した。清澤さんは諏訪湖での潜水は初めて。水中墓や関連遺物は見つからなかったが、清澤さんは「非常にロマンのある話。調査に参加できて、とても光栄」と話す。

 諏訪湖には信玄の死後、遺体を石棺に収め、湖に葬ったという言い伝えが残る。調査は諏訪郡下諏訪町の沖合約500メートル、水深約4メートルの湖底を探索した。この水域では昭和60年代の調査で、武田家の家紋入りおわんや信玄の子・勝頼の名が刻まれた石が出ているという。
 標高759メートルの諏訪湖での潜水は「高所潜水」となり、潜水病になるリスクが高い。水温は12度と低く、湖底には厚さ50センチ~1.5メートルほどのヘドロが堆積。水の濁りで周囲50センチ程度しか視界が利かず、湖底に近づくとヘドロが巻き上がって真っ暗になり、調査は困難を極めた。
 ダイバー6人は水中ではぐれるのを防ぐため等間隔でロープを持ち、半径50メートルの範囲を反時計回りで探索した。2度目の潜水では探索方法を変更。清澤さんは台船上でダイバーたちに指示を出した。
 調査は、論文集『戦国武将の墓〝発掘〟』の刊行を予定する宮帯出版社(京都市)と、「武田信玄の水中墓」をテーマに執筆する信州大名誉教授の沖野外輝夫さんが共同で行った。
 清澤さんは塩尻市内でダイビングショップ「ネクスト オーシャンズ ジャパン」を営んでおり、諏訪湖から最も近いダイバーとして声がかかった。「諏訪湖は有名で一度は潜ってみたかった。今回水中墓は見つからなかったが、調査機材を変えれば出てくるのではないか。これを機に、諏訪湖の透明度も上がればいい」と期待している。

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