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五穀豊穣を願い鳥居火 松本市島内の伝統行事

満開の桜の先に描き出された鳥居火

 松本平に春の訪れを告げ、五穀豊穣を願う松本市島内の伝統行事「鳥居火」(市重要無形民俗文化財)が14日夜、城山公園近くの鳥居山の西斜面で行われた。地元の大宮・武宮両神社の氏子3町会(町、東方、北方)から75人が参加し、闇の中にひときわ大きい鳥居の形を浮かび上がらせた。

 午後8時にたいまつに火がともされ、斜面に大きな鳥居の形が描き出された。氏子がたいまつを振り回してゆらゆらと揺れ、斜面がよく見える島内公民館裏側の駐車場では住民たちが幻想的な風景をうっとり眺めていた。
 新型コロナウイルス禍前は3夜連続で行っていたが、令和2年が中止となり、3年からは規模を縮小して一日のみで開催している。浅川猛会長(73)は「一夜限りとした分、今年は人数を増やして大きくした。今後もこの形で続けていきたい」としている。