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安曇野市消防団・二木弘団長が退任 3期6年、団の融和に尽力

市役所に太田寛市長を表敬訪問する二木団長。31日に団長を退任する

 安曇野市消防団の二木弘団長(60)=豊科高家=が、3期目の任期満了となる31日で退任する。副団長を2期4年、団長を3期6年務め、団員確保に向けたPRや町村合併で誕生した消防団の融和などに尽力してきた。「まだ続けたい気持ちもあるが若い人に任せて見守りたい」と、松本地域の8市村による松本消防協会長も任期満了となるタイミングで退任を決意した。

 豊科高家出身で、旧信州工業高校(現・東京都市大学塩尻高校)を卒業して、会社員をしていた24歳の時に旧豊科町消防団に入団した。第5分団長を務め、旧豊科町消防団で分団長の定年と決められていた35歳で退団した。市消防団発足後に当時の副団長の1人に誘われて復帰した。
 復帰時は町村合併により市が誕生してから8年半ほどで、「各地域の色があって、それぞれの考えで動いていた」と振り返る。「消防団を一つにしなければならない」という気持ちが強く、団長になってからも各分団の行事に参加して団員の意見を聞いてきた。
 火災出動の中では、令和元年に明科地域であった住宅火災が最も印象に残っていると語る。近くに水利がなく、ホースを200メートルつないで水を火災現場に運んだ。住民1人が亡くなってしまったが、穂高地域と豊科地域の分団とも連携して長時間の消火活動に当たった。
 団員確保ではPR動画を制作し、応援キャラクター・ショウくんもつくった。「やり残したこともあるが、ムービーやショウくんなどやりたいことをやらせてもらった」と支えてくれた多くの人たちに感謝している。