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旅する花屋 大門に拠点 塩尻の地域おこし協力隊員・相徳夏輝さん4月開店

大門商店街のえんとの中庭に生花店を開く予定の相徳さん

 塩尻市の大門商店街の旧店舗を活用した滞在型交流拠点施設「en.to(えんと)」(大門三番町)の管理人で、市地域おこし協力隊員の相徳夏輝さん(26)が敷地内に、生花店を開く準備を進めている。屋外型店舗で4月に開店を予定し、花を通じて多くの人がつながる場づくりを目指す。

 店名は「Breeze is nice(ブリーズ・イズ・ナイス)」。相徳さんは「旅する花屋」として国内各地を巡り、塩尻に初めて拠点を構える。
 約140平方メートルの中庭空間を使う。天然芝を張って花壇などを設置する計画で、芝や花の植栽は地域住民と取り組む考え。花の販売だけでなく、廃棄する花による草木染体験などの各種企画も考案中で、心躍るような空間を構想する。
 相徳さんは福岡県出身。同志社大学法学部卒業後、宮城県石巻市で水産業界の課題解決に当たる一般財団法人や、東京都内のコンサルタント会社での勤務を経て、令和4年に花業界に転職した。
 国内の花農家やフランス、東京の生花店などで修業し知識や技術を習得し、独立して「旅と花束」の屋号を掲げ、スーツケースに花瓶を詰めて国内を巡ってきた。昨秋、平出遺跡公園でのイベントに出店し、立地や市民の人となりが気に入った塩尻への移住を決めた。
 国際芸術祭のボランティアとして訪れた香川県内のカフェで、たまたま手にした雑誌の特集で花に魅せられた。世界共通の商材として創造的に活用され、仕事の可能性も幅広く「笑顔になり人生を豊かにする」と感じた。旅先では地域や人とつながり、SNSなどでさらに縁をつなげる楽しさも知った。新店舗ではコミュニケーションを大切に「農家などいろんな人の思いが詰まった花の『物語』を届けたい」と話す。
 開店準備資金を調達するため、29日までインターネット上で寄付を募るクラウドファンディング=QRコード=を行っている。問い合わせは相徳さん(電話070・1947・1415)へ。

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