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「100年前の松本よみがえる」風景絵はがき復刻 丸善松本店が展示販売

昔懐かしい風景絵はがきが並ぶ丸善松本店の特設コーナー

 明治~昭和の松本地域の風景絵はがきが復刻され、今月1日から、松本市深志1の書店・丸善松本店が特設コーナーでの展示販売を始めた。膨大な絵はがきコレクションを所蔵する絵葉書資料館(神戸市)の提案で実現。往時の街の姿や松本平遠望、催事、交通など100年前後をさかのぼった郷土の姿が鮮明によみがえり、懐かしさと新鮮みの両方が人々を引き付けている。

 「千歳橋ヨリ本町通リノ景」や「松本市ヨリ日本アルプスノ遠望」「信州淺間温泉」「松本中學校」「松本市開廰式」など約60種類が並ぶ。名所案内や催事の記念に発行された風景絵はがきを忠実に再現した復刻版だ。飯田屋旅館や松本ホテル花月の往時の外観、昭和30~50年代の鉄道や路面電車、木曽や安曇野など近隣町村の絵はがきもあり、姿を変えた場所、今なお面影を残す場所とさまざまだ。
 全国で同様の展示を企画している絵葉書資料館と丸善松本店がタイアップし、松本地域で初めて実施した。カメラが一般的でなかった時代、風景や習俗を写した風景絵はがきは各地で盛んに発行され、記念や土産に買い求められた。それら一枚一枚が今では貴重な記録として親しまれ、活用されており、同館の藤野賢二さんは「まさに温故知新。郷土を再発見してほしい」と話す。
 31日まで展示し、反響があれば第2弾、3弾を検討する。松本店の澁谷有副店長は「松本に長年住む人はもとより、若い世代や移住者にも響いていると感じる。街への愛着を深めてもらう機会に」と期待していた。販売価格は絵はがきが165円、A4ポスターが825円(各税込み)。

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