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学習支援ボランティア奮闘 安曇野・三郷小の「ドリームチーム」 授業補助で担任の負担軽減

児童に問題の解き方をアドバイスするドリームチームのメンバー

 安曇野市の三郷小学校で、地域住民や保護者でつくる学習支援ボランティア団体「ドリームチーム」が活躍している。つまずきやすい算数の授業を中心に補助に入り、ドリルなどの問題を解くヒントを与えたり、丸付けをしたりする。担任教員の負担を軽減し、児童が多様な大人と交流する機会にもなっている。

 ドリームチームは本年度、地域連携児童支援担当の伊藤俊一教諭が中心となって発足させた。9月まではニーズを把握するため、実技を伴う家庭科やプールの授業の監視、運動会のダンス練習など、全学年で学習支援を実施。10月以降は1、2年生の算数や4年生の漢字などに絞っている。
 2月27日の4年生の算数の授業では、4人が学習支援に入った。子供たちがドリルの問題を個々で解く時間になると教室内を回り、手を挙げた子供には解き方を教えて丸付けをした。担任の曽山啓教諭は「丸付けが分散することで、問題を解き直す時間が生まれる。顔見知りになった人もいて、子供たちが気軽に声をかけやすくなってきた」と感謝していた。
 ドリームチーム側もやりがいを感じているメンバーが多く、4年生の長女がいる和仁麻美さんは「学校の様子を知れるのがありがたい。感動の場面にもたくさん立ち会える」と笑顔を見せる。「放課後子ども教室・わいわいランド」のボランティアでもある小川善平さんは「ユーチューブで4年生の算数を復習している。1年生の遠足で一緒にお弁当を食べたのがかわいくて」と目を細める。
 三郷小では昨年度、前段階として有志親子でさまざまなイベントを楽しむ「夢☆☆応援団」を発足。活動の中で伊藤教諭を中心に地域との連携を深め、ドリームチームの発足に至った。伊藤教諭は「勉強ができなくて沈んでいた子が笑顔になり、その笑顔がメンバーの喜びにつながる。子供の成長を地域と学校で共に喜び合えている」と手応えを語る。
 教科の中でも算数は積み残しが後の学習に響くことから、新年度はさらに1、2年生の算数の学習支援に力を入れる予定だ。

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