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富田橋の仮橋 来月末完成 安曇野市 歩行者の安全確保 4年かけ架け替え

完成が近づいている仮橋(右)

 県が安曇野市の穂高と穂高有明で烏川に架かる富田橋(県道小岩岳穂高停車場線)で進めている架け替え事業で、橋のすぐ上流側に建設中の仮橋が完成間近となっている。3月末の完成予定で、通行が現在の橋から仮橋に切り替わる。部材を大型クレーンでつり上げるダイナミックな工事が行われている。

 仮橋は長さ134.1メートル。現在の富田橋に歩道はないが、仮橋には下流側に歩道ができるため、歩行者の安全が確保される。渇水期に合わせて昨年11月に工事がスタートし、左岸側から川の中ほどまで進んできた。3月中旬には対岸に到達する見込みだという。
 施工を請け負っている松本土建(松本市島立)によると、仮橋は各部材を現地で組み合わせて造る「プレガーダー橋」と呼ばれる鋼橋の一種で、施工期間が短くて済む上に耐久性もあり、災害復旧の現場でも使われているという。役目を終えた後は他の現場で上部工が再利用される。
 架け替え関連の総事業費は約18億円。仮橋は、現在の富田橋を撤去して新しい橋を架け終わる令和9年度末まで4年間使われる。県安曇野建設事務所整備課は「仮橋で今までより歩行者の安全が確保できる状況になる。早く新しい橋ができるよう安全に工事を進めたい」としている。
 富田橋は昭和39(1964)年の完成から約60年がたって老朽化している。JR大糸線の穂高駅方面と広域農道を結び、中学生や高校生の通学路、通勤路などとして多くの人に利用されている。

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