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春の味 からすみ作り盛ん 米粉の郷土菓子 桃の節句に縁起良く

蒸し上がった鮮やかなからすみが並ぶ木挽の里の工房

 木曽郡南部などで月遅れの「桃の節句」(4月3日)に食べられる米粉の郷土菓子・からすみ作りが最盛期を迎えている。大桑村須原の木挽の里でも従業員が伝統の菓子作りにいそしみ、工房には鮮やかな製品が並ぶ。

 米粉と砂糖を練って蒸す菓子で、切り口が山の形になる棒状のものが昔ながらという。木挽の里では、春にちなんだ花びら形や「めでたい」にかけた魚のタイ形も手掛ける。ヨモギや桜、黒糖を練り込むなど色や味も多様な製品を蒸し上げる。
 子宝の縁起物とされる、魚のボラの卵巣を加工した「からすみ」に似せて作ったのが由来と言われる。木挽の里の責任者・岨手孝子さんは「米粉の弾力やかむほどに増す自然な甘みが魅力。昔ながらの懐かしい味わいを作り続けたい」と話す。
 製品は店頭価格で山形が1本500円、花びら形が1個210円、タイ形が230円。地元の道の駅などでも扱う。問い合わせは木挽の里(電話0264・55・2900)へ。