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不要リップをペンにアップサイクル 県ケ丘高2年・升田陽美さんが研究

不要になったリップをアップサイクルして作ったペンとキャンドルをPRする升田さん

 松本県ケ丘高校自然探究科2年・升田陽美さん(17)=筑北村西条=が、不要になったリップ(口紅)をマーカーペンにしてアップサイクル(創造的再利用)する取り組みを進めている。思い入れがあって捨てられないリップを、家庭でもできる手軽な方法でペンに再生する試みだ。「リップ大革命!」と名付けた一連の研究は校内の発表会で大賞に選ばれ、中信高校生探究フェスティバルでも校長会賞に輝いた。

 「コスメ(化粧品)が好き」という升田さんは1年前、探究学習のテーマを探す中で、新型コロナウイルス対策のマスク着用でリップの需要が落ち大量廃棄されているのを知って、リップを使った日用品の開発をテーマに決めた。
 学生がよく使うマーカーペンのインクにリップの色素が使えないかと考えた。友人から不要なリップを募り、研究を開始。インクにするために混ぜたリップとアルコールが分離したり、インクがすぐに乾いて使えなくなったりと苦戦したが、信州大学工学部の専門家の知恵も借り、試行錯誤の末にインクを完成させた。
 現時点でインクには裏抜けの課題があるが、「将来はコスメの商品企画に携わる仕事がしたい。その一歩として、このペンを商品化できたら」と夢を描く。

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