政治・経済

塩尻の本山キャンプ場 本年度いっぱいで廃止

本年度末で廃止する本山キャンプ場

 塩尻市は、宗賀地区にある本山キャンプ場を本年度末で廃止する。昭和60(1985)年の開設から38年が経過し、施設の老朽化、管理者の高齢化や負担増などさまざまな課題が生じていた。市議会3月定例会に関連条例の廃止案を提出する方針で、このほど議員全員協議会に報告した。

 同キャンプ場には管理事務所、トイレ、炊事場などがある。国の新農業構造改善事業の補助金を活用し市が整備した。用地は借地で、維持管理業務は地元の本山区が受託してきた。
 施設の老朽化に加え、近年は野生動物のクマやサル、スズメバチが頻繁に出没するなど安全管理の対応に苦慮していたという。所有者は以前から土地整理の意向を示しており、令和2年夏に区、所有者、市が協議し廃止に合意。補助金活用による財産処分の制限期間を待って廃止する。
 市農林課によると、過去10年の利用者は年平均134人(宿泊78人、日帰り56人)にとどまる。キャンプなどのアウトドア関連施設は、市郊外の高ボッチ高原ほか市内でも民間事業者が複数整備してきており、「廃止による影響は少ない」(同課)とみる。
 炊事場とトイレの屋根の部材がアスベスト(石綿)を含有しているため、対応した撤去工事が行われる。1300万円余かかる見通し。場内の施設は12月中に撤去し、所有者に土地を返還する計画だ。

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