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小澤さん追悼 市民次々と 献花台が縁のホールに

小澤さんをしのんで献花する親子 (キッセイ文化ホール)

 松本市で開かれる国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)の総監督で世界的指揮者の小澤征爾さんの死去を受け、OMF実行委員会などは10日、市内3カ所の音楽祭会場に献花記帳所を設けた。市民らが訪れ、世界で活躍しながらも親しまれる存在だった巨匠との別れを惜しんだ。

 OMF主会場のキッセイ文化ホール(水汲)の献花記帳所には、にこやかな表情の遺影や写真パネルが飾られ、音楽祭の演奏曲が流された。訪れた人たちは用意された花や持参した花束を手向け、静かに手を合わせていた。
 団体職員・寺沢優さん(40)=浅間温泉1=は、小学生が招待される「子どものための音楽会」を懐かしみ「松本にいるだけで世界(水準)に触れられ、幸せだった。音楽祭を続けてもらい、感謝しかない」と話した。
 帰省中の病院職員・小島美海さん(23)=東京都=は、幼い頃に近所のスーパーで偶然小澤さんと言葉を交わし、中学校の吹奏楽部で直接指導を受けた。「一言で音が変わり、一人一人に声を掛けてもらったことが忘れられない」と振り返った。母の由佳さん(56)=岡田下岡田=は「偉大だったのに身近な感じがして、本当に寂しい」と悼んだ。
 まつもと市民芸術館(深志3)、市音楽文化ホール(島内)にも設置され、各施設12日までの午前9時~午後5時に受け付ける。